安倍内閣は勝ち切れるか? 日銀人事は日本国の天王山 by倉山満 週刊SPA! 2月6日号 #日銀総裁人事 #日銀ダービー #くたばれ日銀貴族 #チャンネルくらら #倉山満 #アベノミクス #金融緩和

安倍内閣は勝ち切れるか?日銀人事は日本国の天王山

(by倉山満 週刊SPA!2月6日号より)

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檄!!!!!!!!!!

いよいよ、5年に一度の天王山、日銀人事の季節がやってきた。

本欄でも何度も繰り返したが、なぜ何ら目立つ功績もない安倍晋三首相が高支持率で政権を維持しているのか。

すべてアベノミクスによる景気回復”傾向”の賜物だ。

 

すなわち、①日銀が金融緩和をする(お札を刷る)、②株価が上がる、③支持率が上がる、④選挙に勝てる、⑤誰も安倍首相を引きずりおろせない、というメカニズムである。

これらすべて、5年前の日銀人事から始まった。

 

振り返れば、1998年以来15年間、速水優福井俊彦白川方明の歴代日銀総裁の間、日本の経済成長率は1~▲1%にとどめ置かれた。

通貨発行権を握る日銀がお札を刷らないので、希少性が生じる。すると、所詮は紙切れにすぎない紙幣の価値だけが上がる。

一方で日本人が汗水流して働いた商品は市場に溢れ、価値が下がる。働けば働くほど、紙幣の価値は上がり、商品の価値は下がる。

デフレスパイラルと呼ばれる生き地獄だ。

 

これに対し、敢然と立ち向かったのが、安倍首相だった。

安倍首相は白川日銀総裁を任期満了前に辞任に追い込み、後任の正副総裁人事で黒田東彦総裁と岩田規久男副総裁を送り込んだ。

そして、現在のアベノミクスを始めて、今に至る。

すなわち、日銀人事は日本国の天王山なのだ。

 

日本経済は総裁、2人の副総裁、6人の日銀委員の、9人だけが決める。彼らの任期は5年で身分保障は裁判官と同等。総理大臣ができるのは、任期満了時に彼らの後任を指名するだけである。

しかも国会同意人事であり、衆議院の優越はない。今回は最も重要な正副総裁3人が変わる。

 

日銀総裁人事で勝ち切れないなら政権は黄色信号

いまだ日本経済は景気回復”傾向”にしかない。理由は2つある。

一つは、言うまでもなく消費税8%増税だ。そもそも増税とは景気過熱への対策である。

 それをデフレ期に増税などしたら景気回復ができないのは目に見えている。

かろうじて景気は回復傾向をしているが、5年もたって回復しきれないのは、増税の悪影響だ。

 

では、なぜこんな愚かな政策を行ったのか。

増税を押し付けたのは財務省増税原理主義たちだ。

しかし、それをのんだのは安倍首相、その人だ。その兆候は、5年前の日銀人事にあった。これが2つ目の理由だ。

 

安倍首相は、日銀出身者の中曽宏を、もう一人の副総裁に入れた。

この甘さこそが、この体たらくを招いたのだ。まさか、「日銀出身者を入れないと、日銀マンの士気が落ちる」などとでも考えたのか。

 

SPA!読者諸氏の中には、安倍首相が日本を右傾化させると無用の心配をされる向きもあろう。だが、たかが消費増税も止められない男を、買いかぶりすぎだろう。

もしここで、安倍内閣が日銀人事で勝ち切れないようなら、政権は黄色信号だ。勝ち切るのは政権維持の絶対条件だ。

 

安倍自民党内閣などどうでもいいが、日銀が陥落するのは困る。

決戦だ。

 

(チャンネルくらら特別番組)

特別番組「まもなく5年に一度の天王山!脱デフレ杯G1日銀ダービー」山村明義 かしわもち 倉山満

【チャンネルくらら・1月17日配信】

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