財務省批判 与党で拡大 森友文書の写し きょう提出 備忘録
財務省批判 与党で拡大 森友文書の写し きょう提出
学校法人「森友学園」を巡る決裁文書が書き換えられた疑惑をめぐり、与党で財務省への批判が広がっている。与党は７日、財務省に決裁文書の写しを８日に国会提出させると野党に伝えた。世論の批判の高まりや国会運営への影響を懸念した。しかし財務省が出す資料はすでに国会に提示したものと同じ内容になるとみられ、野党は再び反発する可能性がある。
自民党の二階俊博、公明党の井上義久両幹事長は７日、都内で会談し、財務省に一両日中に調査結果を報告するよう求める方針を確認。二階氏は自民党本部に西村康稔官房副長官を呼び、速やかな報告を申し入れた。
この後、自民党の関口昌一参院国会対策委員長は国会内で民進党の那谷屋正義参院国対委員長と会談。８日朝の参院予算委員会理事会に財務省近畿財務局が保管する決裁文書の写しを出させると伝えた。野党の反発で審議が止まっていた参院予算委で８日に集中審議を開くことでも合意した。
森友問題を巡っては、朝日新聞が学園に国有地を値引きして売却した際の決裁文書が問題発覚後に書き換えられた疑いを報じている。財務省は６日の参院予算委理事会で、捜査を理由に決裁文書の写しなどを出すことを拒否。野党が反発して、予算委の審議は止まった。
与党は調査に消極的と捉えられれば、問題が長引いて国会審議が進まないばかりか、与党に批判が向かう恐れを懸念した。財務省に対し「国会審議が進むよう対応してほしい」（自民党の森山裕国対委員長）と訴えた。野党議員は５日に近畿財務局を訪問し「決裁文書の原本の写し」と同局が主張している文書をコピーして持ち帰っている。与党内では「そうした資料さえ国会に出せないのか」との声が強まった。
ただ、与党は野党が求める国政調査権の行使には後ろ向きだ。森山氏は７日、国会内で記者団に「国政調査権という重い権限を行使することは重い責任を持つということだ」と強調した。
野党は厳しい姿勢を崩していない。立憲民主党の福山哲郎幹事長は７日の記者会見で「すでに配っているものを提示するなど到底認められない」とクギを刺した。菅義偉官房長官は記者会見で「まず財務省がしっかりやるのが大事だ」と語った。
