書評『笑う数学』 ”数の悪魔の教典”<ナンバー・デビルズ・バイブル>! 世にも恐ろしい数学が好きになる本!

”数の悪魔の教典”<ナンバー・デビルズ・バイブル>!

世にも恐ろしい数学が好きになる本! 

 

 

なんと恐ろしい本でしょう。
書き手は「日本お笑い数学協会」なる”秘密結社”。
お笑い芸人、予備校教師、受験戦略家、ライター、家庭教師などなど、様々な肩書を持つ個性豊かな数学好き7人が結成したとされていますが、それは”世を忍ぶ仮の姿”。
 
きっと彼らは数学嫌いの人間を”数学好き”に変えてしまうという恐ろしい能力を秘めた悪魔、”数の悪魔”<ナンバー・デビル>に違いありません。
 
彼らが”数の悪魔”であろうということは、彼らが日夜”布教活動”で使用している数学ネタの数々が収められている本書が証明しています。
 
好きな彼女(彼氏)がいる人ならば、相手に対して意味もなく「1<3U」という不等式を言ってみたくなったり、身長差が12センチかどうか気になること請け合いでしょう。
 
サラリーマンならば、飲み会の場で「30房の枝豆を、殻を一度も引かず、食べきれる確率は?」、「西暦に0年がないワケは?」などと雑学を披露したくなるに違いありません。
 
さらに数の悪魔たちの数学ネタは若者には一層効果てきめんのようです。
  
小学生は「超ウルトラスーパースゲー!!」と叫び出し、中学生は「な、な、何ですとー!?」とビビりまくり、シャア専用ザクの如く計算能力が3倍のスピードに引き上げられた受験生は「なんてお礼を言えばいいのか!!」と涙を流して、ガチで彼らを崇め奉るでしょう。
  
特に「小学生でもできるN進法を10進法に変える方法」鶴亀算を一瞬で解く裏技」旅人算を一瞬で解く裏技」なんて反則技そのもの
 
これでは「算数、数学が嫌いだから文系」と消極的選択で文系を選んでいた人々が激減するのは必至。
まさに文系にとっての悪魔、天敵!!
 
本書にうっかり魅入られてしまいかねない数学嫌い人間への警告の意味も込めて、彼ら数の悪魔たちの人間界での正体を晒しておきたいと思います。
 
【日本お笑い数学協会 構成メンバー】
■タカタ先生
日本お笑い数学協会会長。
日本お笑い数学協会(通称「JOMA」)を立ち上げ、同日開催された第1回JOMAじゃんけん大会で勝利し会長となる。高校の数学教師、よしもと芸人、数学系Youtuberの4つの顔を持ち、大人から子供まで幅広い層に数学の楽しさを広める活動を行っている。好きな数字は「1」。好きな定理は「ド・モアブルの定理」。好きな分解は「部分分数分解」。好きな完備化は「ノルム空間の完備化」。好きな空間は「バナッハ空間。」
Twitter→ @takatasennsei
 
■横山 明日希
日本お笑い数学協会副会長。
数学のお兄さんとして数学の楽しさを伝えるべく活動中。数学の楽しさ、なぜなにを探る「探求数学」を探求型学習塾「a.school」にて実施している。好きな数字は「3」だが、最近は「6」にも魅力を感じはじめている。好きな公式はもっとも美しい数式である「オイラーの公式」で、衣装のTシャツにもこの公式を描いているほど。また、「数学俳句」や「数学短歌」など、ほかの分野と数学を組み合わせたコンテンツも開発している。
Twitter→ @asunokibou

■さんきゅう倉田
芸人。ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、東京国税局に入庁。法人税の調査を経て、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに。お笑い芸人として、税務調査やガサ入れのエピソードでメディアやライブに出演。
好きな言葉は「増税」、将来の夢「天下り」、無人島にひとつもっていくとしたら「領収証」。日本お笑い数学協会の数学謎解き担当。著書に『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)がある。
Twitter→ @thankyoukurata

■平井基之
受験戦略家。
理系で東大に入学したが、30歳を超えてから文系に浮気し、文系でも東大に合格。その経歴を活かし「日本お笑い数学協会」の「文系担当」に。歴史や政治経済、国語と、数学をコラボしたネタを得意とする。東大受験専門塾の経営を行いながら、ほかにも、セミナー講師や作家、ブロガーとして幅広く活躍。著書に『ビジネスで差がつく論理アタマのつくり方』(ダイヤモンド社)がある。
Twitter→ @motoyukihirai

■秋田崇宏
小中高塾、予備校講師。
東京学芸大学で教育を学びながら芸人としても活動していた経験を活かし生徒に楽しくおもしろく学習してもらう。大手進学塾での指導や、生徒からの要望を受けて新クラスの設立をするなど、担当の領域はさまざま。また英語ができることを生かし海外の数学教科書を集めグローバルに活動。日本お笑い数学協会唯一のツッコミ担当。英語の発音もよいので、最近は英語の先生と思われることも多い。
Twitter→ @narusisteacher

■小林裕人
塾、予備校講師。家庭教師。
現役バリバリのプロ講師。中学受験、高校受験、大学受験と幅広い年齢を対象に指導を行い、もちろん合格実績は多数。算数特有の具体化を使った考え方を大切にし、問題をただの解く作業にならないよう授業を展開している。日本お笑い数学協会の「算数担当」。また、高IQ集団「JAPAN MENSA」の会員でもあり、100㎏オーバーの自重よりも遥かに高いIQを持つ、IQも自重もすごい人。
Twitter→ @gluttonteacher 

■鯵坂もっちょ
ライター&ブロガー。
自ら「数学ファン」と名乗り、その数学の魅力をさまざまな切り口で伝える。グラフ描画アプリ「Desmos」を駆使した数式お絵かきを得意とする。また、大規模数学イベント「ロマンティック数学ナイト」では毎回ほかのプレゼンテーターとは異なる毛色のプレゼンを武器とし、毎回拍手喝采となる。強みは「いい声」なので、いつかナレーターの仕事を受けたいと心の中では思っている。
Twitter→ @motcho_tw

 
願わくば、本書が広く世間に普及しないことを祈るばかりです。
私はひっそり何度も読み返しますが。
 
おススメです!!