書評『消された政治家・菅原道真』 あなたの知らない“政治家”菅原道真の治績 ~大蔵官僚、大蔵事務次官にして蔵相だった道真~

書評『消された政治家・菅原道真』平田耿二著 文春新書

あなたの知らない“政治家”菅原道真の治績

~大蔵官僚、大蔵事務次官にして蔵相だった道真~

 

「学問の神様」、菅原道真

宇多天皇の厚い信任のもと右大臣として、栄達を極めながらも、藤原時平の政略により太宰府に流され、非業の死を遂げた文人

現代に伝わる道真の業績といえば遣唐使の廃止」ですが、実は道真は、学者のみならず、大蔵官僚というキャリア官僚としての側面も持ち併せ、栄達したのちは蔵相として、あるいは官僚機構のトップを担う大蔵省事務次官国税庁長官として大規模な税制改革を企図していたのだそうです。

 

当時の税制は成人男子に対して一定の税を課す人頭税を中心としたものでしたが、虚偽申告が横行し、その実勢把握は困難を極め、著者の計算でいけば、成人男子7万人のうち実に3万人~5万人が脱税していた計算になるのだそう。

 

当然、政府の財政はひっ迫し、治安は乱れ、民衆は困窮します。

国家体制の土台が崩れていくことに危機感を覚えた道真が断行しようとしたのが人頭税から土地課税への転換”という大規模な税制改革でした。 

その過程で行われた大規模な土地の実勢調査は「平安の太閤検地ともいえるもので、その様相は現在の不動産登記簿謄本や公図、国勢調査の原型を思わせます。 

本書はあくまでも「内政」「税制改革」における菅原道真の業績に主眼を置いた内容になっており、遣唐使の廃止も税制改革、国政改革を優先したからだ」という視点で描かれているため、当時の国際情勢からみた視点や、道真は渤海客使という外交官としての側面もあったという点についての記述が少ないのがやや残念ですが、菅原道真という政治家”、”菅原道真という官僚“の政治における治績を知る上では、とても興味深い一冊と言えます。 

おススメです!

 

書評『工作員・西郷隆盛 謀略の幕末維新史』 義に生き、義に殉じた、”稀代の工作員” #倉山満 #倉山工房 #講談社 #西郷隆盛 #せごどん #大久保利通 #インテリジェンス

【書評】

倉山満著『工作員西郷隆盛 謀略の幕末維新史』

義に生き、義に殉じた、”稀代の工作員

 

 

 

■南洲翁は聖人君子にあらず

西郷隆盛といえば「いいひと」、「いいひと」と言えば西郷隆盛
近現代の歴史上の偉人の中で、これほどまでに「いいひと」と言われている偉人も珍しいのではないでしょうか。

実は、そんなに西郷さんについて詳しく知っているわけではなかったので、本書『工作員西郷隆盛』と前後して、
西郷どんとよばれた男』(原口泉著)
西郷隆盛明治維新』(坂野潤治著)
西郷隆盛 - 維新の功臣 明治の逆賊』(相川司著)
西南戦争』(小川原正道著)
あたりも読んでみたのですが、やはり西郷さんは一般的なイメージで語られるような、聖人君子的な人物ではなく、
「気難しく、気まぐれで、人の好き嫌いが激しい、好戦的で、妥協を知らない、破滅的な性格だった」
と言うのが本当のところのようです。
  
ですが、それでも西郷さんが「いいひと」であることには変わりはありません。
  
聖人君子的な「いいひと」ではなかったかもしれませんが、誠実で一度約束したことは必ず実行する、絶対に相手を裏切らない、清廉潔白な人物という意味において「いいひと」だったのです。
 
工作員なんていうと、スパイ映画でお馴染みのように、騙し合いの世界のはず。ならば、そんな”いいひと”に工作員みたいなマネが務まるわけないだろう」

と思ってしまいがちなところですが、実際はむしろその逆で、「誠実ないいひとであること」が優秀な工作員(インテリジェンス・オフィサー)の第一条件なのだそうです。
  
本書でも著者の倉山先生が、

「スパイというと、人を裏切るのが仕事と勘違いしている人がいますが、そのようなことは一生に一度あるかどうかです。」 

「実際の活動では、人と信頼関係を築き、そこから情報を取るのがスパイの仕事なのです。」

と指摘されていますが、同様のことを警視庁公安部長、警察大学校長を歴任したインテリジェンスの専門家、元内閣情報調査室長の大森義夫氏が述べています。 

大森氏の著著『インテリジェンスを一匙』によれば、

「インテリジェンスは騙されたり、騙したりのビジネスだ。それだからこそ人を裏切らない誠実さが第一である。」

 なのであり、イスラエルが世界に誇る対外諜報機関モサド」においても「正直は一番安全な嘘である」という格言が残されているそうです。

 

また、西郷さんと言えば、皆から「西郷どん」と親しみを込めて呼ばれるような愛されるキャラクターの持ち主でもありましたが、そういった側面も”工作員としての西郷隆盛”にとってプラスに働いていたようです。
 
現代の国際社会において最も有名な工作員といえば、ロシアのプーチン大統領旧ソ連の情報機関KGB出身)をおいて他にいませんが、TVで見る”コワモテ”のプーチン大統領のイメージからは想像もできませんが、意外にもプーチン大統領「人たらしの名人」と呼ばれており、驚くほど愛想が良いのだそうです。
 
クレムリン・ウォッチャー(ロシア情報通)の間では、「あの愛想のよさは典型的KGB「とろけるように心酔する者もいる」と評されおり、木村汎著『プーチン 内政的考察』によれば、プーチン大統領本人も自分自身のことを「人間関係の専門家」と豪語しているのだとか。
(そう言えば、現代の私たちが一般的にイメージする西郷さんも、晩年の長年の病気や不健康がたたって、肥満体になってしまった西郷さんであり、青年期や30代のバリバリの頃の西郷さんは、大柄ではあっても、肥満体ではない、がっしりした力士(貴乃花のような感じでしょうか)のような体型だったと言う話もあるそうですから、意外とプーチン的な雰囲気を醸し出していたのかも。)

  
激動の幕末において「薩摩に西郷あり」と名を馳せていく過程や、征韓論争の際も多くの士族たちが西郷さんを慕い、共に下野していったことを思うと、西郷さんの”工作員気質”がここでも発揮されたのではないだろうかと思わずにはいられません。


■寡兵で大軍に勝利し、無血クーデターをも成功させた稀代の策略家

西郷さんの評価の中で大きく意見が割れるものと言えば、戦争指導力もそのひとつでしょう。
どうしても西南戦争のずさんな戦争指導が脳裏から離れず、それがゆえに、「西郷さんは戦争下手だった」「西南戦争に負けたのも実戦経験に乏しかったのが敗因だ」と論評する人も少なからずいるようです。
 
人それぞれ異なる意見があって然るべきですが、やはり西南戦争はかなり特殊要因が絡み合ったものであって、西南戦争でもって西郷さんの戦争指導力を推し量ろうとすると、訳がわからなくなる気がします。 
むしろ、積極的に論じるべきは、西郷さんが鳥羽・伏見の戦いで、寡兵でもって大軍に勝利し、かつ廃藩置県という「事実上の無血クーデター」すらも成し遂げているという点ではないでしょうか。
 
鳥羽・伏見の戦いでは、”怪物政治家”徳川慶喜を戦場に引きずり出すという離れ業をやってのけ、あまつさえ薩長5千VS幕府軍1万5千という圧倒的劣勢であったにも関わらず、錦の御旗を掲げることに成功し、完勝
廃藩置県も本来、下級武士に過ぎない西郷さんや大久保の手によって主君筋の大名たちの土地が取り上げられるという「大政変」にもかかわらず、ほとんど抵抗らしい抵抗もさせずに成就させます。
 
このあたりを見誤ると、なぜ青年時代の古傷がもとで刀すら満足に振ることができない西郷さんが陸軍大将・近衛都督を兼任するなど、新政府の軍事部門を一手に引き受けていたのか分からなくなるのではないでしょうか。
西郷さんは戦わずして勝つ、情報戦の天才だったのです。

 

■双璧の争覇戦 ~「友情の岐路となった岩倉使節団」~

本書のクライマックスとして第5章のエピソード「友情の岐路となった岩倉使節団を語らずにはいられません。
幼少期からの竹馬の友として、維新の同志として、常に行動を共にしてきた大久保利通と違える日が来ようとは、当の本人たちも夢にも思っていなかったのではないでしょうか。
 
それまでは、互いに異なる境遇、立場に置かれることはあっても、所詮は日本国内での話。志を共有することは、さほど難しくはなかったのかもしれません。
 
それが、一方は使節団に参加し、世界を見聞してきたことで、明治新国家へのビジョンも想いも新たにしてくる一方、片方は基礎固めすらできていない、スキャンダルばかりの留守政府を預かる身。
そもそも西郷さんは、パーマストン砲艦外交にも似た、武力を背景にした交渉を得意とするのであって、内政はからっきしです。当の本人もそれがわかっているから固辞していたのでは。
 
だからこそ、江藤新平らを排除せんがために、大久保が政争を仕掛け、(大久保にとっても不本意でありながらも)江藤らとともに西郷さんを排除したこと自体が、西郷さんにとって「裏切り」と映ったのではないでしょうか。
 
大久保の方は、明治新国家の道筋を立てるためには、自分が政権に復帰する必要がある。そのためには江藤らを排除せねばならない。西郷さんを巻き添えにすることになったとしても、それは”一時的なもの”であり、裏切りではない。きっと西郷さんなら自分の考えを判ってくれる、と思っていたのかもしれません。
 
ですが、根っからの工作員である西郷さんから見れば、どう映るのか。

前述の通り、工作員にとって義を重んじることは大前提であり、裏切りは一生に一度あるかないかです。それを大久保は仕掛けてきた。つまり「生まれてから今日に至るまでの二人の関係全てを無かったことにする」と言っているにも等しかったのかもしれません。
もしくは、工作員としての自身のプライドを激しく傷つけられたがゆえなのか-。
 
そう思うと、その後の二人が決して和解することがなかったことや、ただただ状況に押し流される遭難船かのように西南戦争を進めていったことにも説明がつく気がします。憶測ですが。
 
とは言え、大久保も「地下で謝るしかない」と発言していたことや、西郷さんの死の報せを聞いて「泣きじゃくっていた」そうですから、西郷さんがどう思っていたのかうすうす感じていたのかも知れません。
また後の大久保の非業の死の遠因が自らの死にあることを知ったならば、地下で泣いて詫びたのは西郷さんの方かもしれないと思うと、なんだかやるせない気持ちになります。
 
二人の思いがすれ違っていくその様子が、なんだか銀英伝のミッターマイヤーとロイエンタールを想起させるのは気のせいでしょうか。


■愛の西郷、義の西郷

NHK大河の「西郷どん」は、「人を愛し、故郷を愛し、国を愛し、民を愛し…“見返りを求めない愛”を与え続けました。人は親しみを込めて、男を『西郷どん(セゴドン)』と呼びました。」というキャッチコピーにもあるとおり、”愛”という観点から西郷さんを描いているようです。
原作小説の『西郷どん』もナナメ読みしてみましたが、確かに色んな意味で”愛”に溢れた一冊でした(苦笑)
 
一方で本書は、義という側面から西郷さんを描いていると言えます。
工作員西郷隆盛」とは「決して裏切らない、義の男、西郷隆盛」を言い換えたものと捉えてもいいのかも知れません。
『西郷どん』も多くの参考文献、専門書に裏付けされた内容のようなので、『西郷どん』と本書『工作員西郷隆盛』を読み比べてみるのも面白いかもしれません。
 
少なくとも私自身は、本書『工作員西郷隆盛』を読んだ上で、『西郷隆盛 - 維新の功臣 明治の逆賊』(相川司著)や『西南戦争』(小川原正道著)あたりを読むと、すんなり頭に入ることが出来ました。
 
おススメです!

安倍内閣は勝ち切れるか? 日銀人事は日本国の天王山 by倉山満 週刊SPA! 2月6日号 #日銀総裁人事 #日銀ダービー #くたばれ日銀貴族 #チャンネルくらら #倉山満 #アベノミクス #金融緩和

安倍内閣は勝ち切れるか?日銀人事は日本国の天王山

(by倉山満 週刊SPA!2月6日号より)

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檄!!!!!!!!!!

いよいよ、5年に一度の天王山、日銀人事の季節がやってきた。

本欄でも何度も繰り返したが、なぜ何ら目立つ功績もない安倍晋三首相が高支持率で政権を維持しているのか。

すべてアベノミクスによる景気回復”傾向”の賜物だ。

 

すなわち、①日銀が金融緩和をする(お札を刷る)、②株価が上がる、③支持率が上がる、④選挙に勝てる、⑤誰も安倍首相を引きずりおろせない、というメカニズムである。

これらすべて、5年前の日銀人事から始まった。

 

振り返れば、1998年以来15年間、速水優福井俊彦白川方明の歴代日銀総裁の間、日本の経済成長率は1~▲1%にとどめ置かれた。

通貨発行権を握る日銀がお札を刷らないので、希少性が生じる。すると、所詮は紙切れにすぎない紙幣の価値だけが上がる。

一方で日本人が汗水流して働いた商品は市場に溢れ、価値が下がる。働けば働くほど、紙幣の価値は上がり、商品の価値は下がる。

デフレスパイラルと呼ばれる生き地獄だ。

 

これに対し、敢然と立ち向かったのが、安倍首相だった。

安倍首相は白川日銀総裁を任期満了前に辞任に追い込み、後任の正副総裁人事で黒田東彦総裁と岩田規久男副総裁を送り込んだ。

そして、現在のアベノミクスを始めて、今に至る。

すなわち、日銀人事は日本国の天王山なのだ。

 

日本経済は総裁、2人の副総裁、6人の日銀委員の、9人だけが決める。彼らの任期は5年で身分保障は裁判官と同等。総理大臣ができるのは、任期満了時に彼らの後任を指名するだけである。

しかも国会同意人事であり、衆議院の優越はない。今回は最も重要な正副総裁3人が変わる。

 

日銀総裁人事で勝ち切れないなら政権は黄色信号

いまだ日本経済は景気回復”傾向”にしかない。理由は2つある。

一つは、言うまでもなく消費税8%増税だ。そもそも増税とは景気過熱への対策である。

 それをデフレ期に増税などしたら景気回復ができないのは目に見えている。

かろうじて景気は回復傾向をしているが、5年もたって回復しきれないのは、増税の悪影響だ。

 

では、なぜこんな愚かな政策を行ったのか。

増税を押し付けたのは財務省増税原理主義たちだ。

しかし、それをのんだのは安倍首相、その人だ。その兆候は、5年前の日銀人事にあった。これが2つ目の理由だ。

 

安倍首相は、日銀出身者の中曽宏を、もう一人の副総裁に入れた。

この甘さこそが、この体たらくを招いたのだ。まさか、「日銀出身者を入れないと、日銀マンの士気が落ちる」などとでも考えたのか。

 

SPA!読者諸氏の中には、安倍首相が日本を右傾化させると無用の心配をされる向きもあろう。だが、たかが消費増税も止められない男を、買いかぶりすぎだろう。

もしここで、安倍内閣が日銀人事で勝ち切れないようなら、政権は黄色信号だ。勝ち切るのは政権維持の絶対条件だ。

 

安倍自民党内閣などどうでもいいが、日銀が陥落するのは困る。

決戦だ。

 

(チャンネルくらら特別番組)

特別番組「まもなく5年に一度の天王山!脱デフレ杯G1日銀ダービー」山村明義 かしわもち 倉山満

【チャンネルくらら・1月17日配信】

youtu.be

 

 

書評『真実の日米開戦 隠蔽された近衛文麿の戦争責任』 反面教師としての近衛文麿とバカでマヌケな戦前の政治からみる「知性の3段階」 #倉山満 #宝島社 #歴史 #日本史 #人文 #思想 #社会

書評 倉山満著『真実の日米開戦 隠蔽された近衛文麿の戦争責任』

反面教師としての近衛文麿とバカでマヌケな戦前の政治からみる「知性の3段階」

 

 

月1ペースで著書を出されており、「月刊くらら」と化している憲政史家の倉山満先生。 なんでも11月に出版した『工作員西郷隆盛 謀略の幕末維新史』は4刷が決定したのだとか。

しかも『工作員西郷隆盛』も含め、6冊連続重版出来

本を出すペースも凄まじいですが、その度に売れているというのも本当にスゴイですね。

 そんな倉山先生の「月刊くらら」2017年12月号に当たる本著は、1910年代からの国際状況と日本の政治状況および、その代表的な人物としての近衛文麿という存在を描くことで、「日米が開戦に至ったその理由、真の戦争責任はどこにあったのか」を問う内容になっており、本書もまた濃密な内容の一冊となっています。

 

■「日米開戦は経済のブロック化が主因」は本当か

日米が開戦に至った背景として諸説あろうかと思いますが、平成27年8月14日に公表された戦後70年談話によれば、

  • 経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。
  • 私たちは、経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去を、この胸に刻み続けます。

とあり、”経済のブロック化が戦争をもたらした”というのが現在の政府公式見解となっているようです。ですが、本当に「経済のブロック化」によって戦争がもたらされたのでしょうか? 

一般に経済のブロック化は「資源を持てる国」(米英ソ)と「資源を持たざる国」(日独伊)という対立関係を生み出し、それがゆえに戦争を引き起こしたと説明されます。

とはいえ、そういうわりには、(良くも悪くも)真珠湾攻撃によって初戦は連戦連勝だったにも関わらず、日本が資源を獲得し、継戦能力を向上させたというような話は聞きません。

アメリカが石油を売ってくれなかったからだとしても、当時の日本が必要としていた石油量はインドネシアからの産出量だけで十分賄えるものだったとされています。

 

そうなると当時のインドネシア”オランダ”の植民地です。また近隣でいくと”イギリス領”ブルネイからしか石油は出ません。 オランダやイギリスと一戦交えることになったと言うのであれば(実際にそうなりましたが)合理的な説明がつきますが、アメリカと戦争をする理由にはなりません。 

 

2017年の今年になって邦訳出版され、話題となっているハーバート・フーバー元米国大統領の大著『裏切られた自由』を読んでも、経済のブロック化云々という話は全くと言っていいほど登場せず、むしろ計画経済、経済的全体主義の蔓延による弊害が指摘されており、第二次世界大戦の発端としてイギリスとドイツが対峙することになった直接のきっかけも

独ソ不可侵条約あるいはポーランドへの英仏の独立保障といった一連の動きが、戦争の勃発、その後の戦災による破壊を生んだ」(同書341ページ)

と、純粋に安全保障の面から端を発しているとされています。

 

 

実際、ポーランドの独立保障で英独間で決定的な対立関係が生じるまでは、「ドイツの目は東(ソ連)に向いている」「独ソの対決は不可避」というのが各国首脳の共通した見解だったそうです。

どうやら、「経済のブロック化」、「持てる国VS持たざる国」云々といったものが真の開戦理由、少なくとも唯一の開戦理由というわけではなさそうです。では一 体、日米が戦争に至った”本当の理由”とは何だったのでしょうか?

 

 ■日米開戦の本当の理由は「バカでマヌケだったから」

いったいなぜ日本は戦争しなければならなかったのか?その答えは、当時の日本の政治家、指導者層が「バカでマヌケだったから」です。

なんとも身も蓋もない答えですが、事実なので仕方ありません。

 

そもそも、日露戦争に勝った後の当時の日本は東アジア最強の国であり、滅びようがないほど強い国でした。「ちっぽけで弱い日本が強くて巨大なアメリカにケンカを売った」わけではないのです。

実際、1907年の「協商の年」と言われた当時の国際状況では、見事なまでに日本だけが安全地帯です。(本書18ページ参照)

日露・日仏・英露の3つの協商が結ばれたことによって日英同盟と英仏同盟が結び付き、見事なまでに日本だけが安全地帯の国際状況を生み出すに至りました。

だったら、なぜ、強かったはずの日本は滅びるような愚かな失敗をしたのか-。

本当はそれこそが問題なのです。

 

ポジショントークしかできない、呆れた奴ら~知性の3段階~

本書を通して読み解けるのは、前述のとおりの日本の指導者層の見事なまでのバカっぷり、マヌケっぷりです。

本当にどいつもこいつも、自分の本籍地(帰属する組織)の利益代表、代弁者としてのポジショントークしかしません(怒)。

現在の政治においても「国益なんぞどこ吹く風」というような政党による政権運営がなされていましたが、戦前も同じではないかと目を覆いたくなるような悲惨な状況です。

唯一、ポジショントーク固執せず、真の国益を考える「右上」の穏健保守も左上、左下、右下に三正面作戦を強いられ、どんどん発言力を失っていきます。

 

エスタブリッシュメント(左上)と、アカ(左下)が相当紛れ込んだ革新官僚(右下)が長引かせ、戦線を拡大させた、支那事変。 次第に、「何のために戦争をするのか」どころか、「どうやれば戦争に勝つのか」「戦争目的、勝利条件は何なのか」すら議論されず、ただひたすら”日々の行政”として戦争を続けていくハメに陥ります。

 

勝利条件を考えずに戦う・・・。これほどバカで、マヌケなことは無いでしょう。ですがそれが、対米開戦に至った「真相」だったのです。なぜこのような事態に陥るのでしょうか?

ここでロバート・ギーガン著『なぜ人と組織は変われないのか』を参考にしたいと思います。 

同書によれば、「知性にも3つの段階がある」のだそうです。(環境順応型→自己主導型→自己変容型)

この「知性の3段階」の特徴を挙げると、

【環境順応型知性】

・周囲からどのように見られ、どういう役割を期待されるかによって、自己が形成される。

帰属意識をいだく対象に従い、その対象に忠実に行動することを通じて、一つの自我を形成する。

・順応する対象は、おもにほかの人間、もしくは考え方や価値観の流派、あるいはその両方である。

 

【自己主導型知性】

・周囲の環境を客観的に見ることにより、内的な判断基準(自分自身の価値基準)を確立し、それに基づいて、まわりの期待について判断し、選択を行なえる。

・自分自身の価値観やイデオロギー、行動規範に従い、自律的に行動できる。

・自分の立場を鮮明にし、自分になにができるのかを決め、自分の価値観に基づいて自我の範囲を設定し、それを管理する。これを通じて一つの自我を形成する。

  

【自己変容型知性】

・自分自身のイデオロギーと価値基準を客観的に見て、その限界を検討できる。

・あらゆるシステムや秩序が断片的、ないし不完全なものなのだと理解している。

・これ以前の段階の知性の持ち主に比べ、矛盾や反対を受け入れることができ、ひとつのシステムをすべての場面に適用せずに複数のシステムを保持しようとする。

・一つの価値観だけいだくことを人間としての完全性とはき違えず、対立する考え方の一方に与するのではなく両者を統合することを通じて、一つの自我を形成する。

となるそうです。

さらに「環境順応型知性」に関する記述を詳細に伝えると、次のように書かれています。

環境順応型知性の持ち主は、職場でどのように情報を発信・受信するのか。あなたの知性がこのレベルだとすれば、発信する情報は、ほかの人たちがどのような情報を欲しているかというあなた自身の認識に強く影響を受ける。集団思考(グループシンク)はその典型だ。 

集団思考は、集団的意思決定の場でメンバーが重要な情報を口にしないときに生まれる。人々がそのような態度を取るのは、たとえば「その計画が成功する確率はほぼゼロだとわかっているけれど、リーダーが私たちの指示を欲しているらしい」と思うからだ。

集団思考に関する初期の研究の一部はアジアを舞台にしていた。それらの研究では、意思決定の場で自分の意見を言わなかった人たちが、リーダーの「メンツ」をつぶしたくなかったのだと説明した。

リーダーに恥をかかせないためには、会社が失敗への道を突き進んでも仕方がない、というわけだ。

(中略)

アーヴィング・ジャニスとポール・ハートの研究により、日本や台湾だけでなく、アメリカやカナダでも強力な集団思考が見られることが明らかになった。

この種の思考は、文化ではなく、その人の知性レベルが原因で生まれるものなのだ。 

環境順応型知性の特質は、情報をどのように受け取り対応するかにも影響を及ぼす。 このレベルの知性の持ち主にとっては、重要人物の意向の反しないことと、好ましい環境に自分を合せることが、一貫した自我を保つうえで大きな意味をもつ。 

そのため、情報にとても敏感で、情報の影響を受けやすい。受け取る情報はたいてい、言葉で表現されるメッセージだけにとどまらない。ときには、相手のメッセージの裏の意味をくみ取ろうと神経質になるあまり、メッセージの送り手が意図した以上に強い影響を受ける場合もある。  

その結果、リーダーはしばしば、どうして部下が「あの言葉をこんな風に解釈するのか?」と驚き、戸惑うことになる。情報の受け手のアンテナが歪んでいれば、実際に届く情報は送り手の意図と似ても似つかないものになり兼ねない。

 この環境順応型知性に関する記述を見るにつけ、「当時の政府中枢を担っていた政治家たちも、この知性レベル1の「環境順応型知性」だったのではないか」と思わずにはいられません。

近衛文麿という男 

そんな当時の政治状況の中、三度に渡って内閣を組織し、数々の決定的な場面で、決定的な役割を担ってきたのが近衛文麿でした。

血筋、教養、知識、文才等々、その資質自体は紛うことなき怪物政治家、怪物思想家の名にふさわしいものであり、近衛自身も左上・左下・右上・右下の4つの思想全てを止揚アウフヘーベン)していたつもりだったのだそうです。 ※アウフヘーベン・・・あるものを否定しつつも、より高次の統一の段階で生かし保存すること。

 

 おそらく本人の自己認識としては「知性の三段階」で言うところの「自己変容型知性」であったということなのでしょう。それだけの教養も思想も知識も身に付けていたのですから。

ですが、実際は、その時々に応じて各思想グループの主張を代弁するだけの「環境順応型知性」だったのではないでしょうか。

 

ある時は親アジア主義者、またある時は親軍部、ある時は親共産主義者といった具合に「左上」にも「右下」にもいい顔をするというのが、近衛文麿の思想の実体でした。

だからこそ、「自己変容型知性」として髙い次元からアウフヘーベンしていたつもりなのに、ゾルゲ事件によって、実は自分も他の人間と同じ「環境順応型知性」だった、「同じ穴のムジナ」だったのだという現実がよほど屈辱的だったのか、俄然、日米開戦回避に向けて精力的に活動し始めます。

 

結果的には、交渉相手となるべき米国大統領、フランクリン・ルーズベルトも近衛に負けず劣らずの”政治的狂人”であったが故に頓挫してしまいましたが、「もう少し早く、近衛が目覚めてくれていたならば」と残念でなりません。

 

 ■戦前と変わらないバカでマヌケな日本の言論、政治状況

戦前の日本の思想、政治情勢がいかにバカでマヌケだったのかを思い知らされる本書ですが、ではその一方で現在の日本の姿はどうでしょうか?

  • 北朝鮮有事、半島有事という危機が眼前に広がっているにもかかわらず、相も変わらずモリカケ問題に終始し、挙句の果てには「安倍総理が北にミサイルを撃たせている」とまで言う、”何でも安倍のせいダ―”の野党・マスコミ。
  • 息をするように「増税」を唱える、「一億総カツアゲ社会」の実現を目論む財務省内の増税原理主義
  • ”経済における死の病”と言われるデフレへ再び日本を陥れたいと渇望し、”ハイパーインフレがー”と声高に唱える、日銀プロパー、出口論者。
  • ヤクザと見間違えるような外見の脂ぎった中年オヤジや老人が拡声器片手にがなり立て、君が代を斉唱する、脊髄反射するしか能のない、単細胞のエセ保守

正直言って、戦前の状況を笑えないのが現在の日本の政治状況なのではないでしょうか。

先の大戦の痛苦な反省をしなければならない」というのであれば、何物にも先んじて、当時のバカでマヌケな指導者層(左上)の戦争責任を問う必要がありますし、そこから何も学んでいないのだとしたら、現在の日本の政治というのも、同じようにバカでマヌケであるとの結論を導かざるを得ません。

 

■近衛になるな!大久保を目指せ!

ここまで、散々、戦前の当時の政治状況、現在の日本の政治状況をこきおろしてきましたが、その一方で、はたと気付かされることもありました。

それは、「自分自身もバカでマヌケだった戦前の日本の政治家たちと”同類”なのではないか」ということです。

 

もちろん、本書を読んでいるときは、自分自身は自己主導型知性、自己変容型知性のつもりで

「戦前の指導者層はなんてバカでマヌケなんだ」

ポジショントークしている暇があったら、ちゃんと国益を考えろ!」

と思いながら読んでいましたが、現実の自分自身の考え方や行動を振り返ると、とても彼らを批判できるほど立派なものではありませんでした。

 

周囲の何となくの雰囲気に流され、自分の意見を言わない。 発言するときは忖度しまくり。

周囲の見る目がやたら気になる。そのくせ自分のポジションや給料、自分自身の将来像には関心があっても、他者のことには無関心。

会社の未来を考えるのは経営者の仕事であって、従業員の仕事ではないと考える。

要するに「当事者意識が無い」ということです。

 

戦前当時のポジショントークに終始した、お役所仕事しかしていなかった連中と全く同じです。本当に恥ずかしい限りです。

では、どうするか。

真摯に学んで、自らの「知性の段階」を上げていく以外ありません。近衛文麿では日米開戦を回避できませんでしたが、「もし大久保利通が首相であれば対米開戦は避けられただろう」と倉山先生は指摘します。

そして両者を分ける決定的な違い、近衛文麿に欠けていた最も大事な資質が「未来への意思」なのだそうです。

 

ここで言う「未来への意思」とは「当事者意識」、すなわち「十年後、二十年後の世界で、国や社会、自分の属する組織がどうあるべきか、自分自身で描いたビジョンを持っているのか」ということではないでしょうか。  

大久保利通も、西郷隆盛も、本来は下級武士の出であり、日本どころか藩政にすら責任を負うべき立場ではありません。そんなことせず、半径五メートルの世界で細々と暮らしていたとしても誰からも批判を受ける立場ではありません。それが彼らの領分なのですから。

 

ですが、彼らはそうはしませんでした。

「幕府や公家など時の権力者、支配者層が役に立たないなら、自分たちが立ち上がるしかない」と当事者意識をもって立ち上がったのが明治の元勲たちだったのではないでしょうか。

 

いざとなったら、本当に解決すべき問題なのであれば、「それは自分がやる役目ではない。○○がやるべき仕事だ」などと、お役所仕事の視点で他人に押し付けている場合ではないということです。

  

永遠にいたるには、明日への一歩から始めてはならない。 積み重ねでは永遠に至らない。

「大きな一歩」を考え、そのうえで「今日、何をするか」を問わなければならない。

 重要なのは、言葉の美しさではない。あなたがあげる成果である。

byドラッカー『経営者に贈る五つの質問』より

  

戦前当時のバカでマヌケな政治の状況、”お役所仕事ぶり”を知ることで「こうはなりたくない」と思わせ、より一層、「明治の元勲たちから当事者意識を学び、大きな一歩を考え、物事に取り組むことが出来るよう、日々己の知性を高めていかなければ」との決意を新たにさせてくれた一冊です。

おススメです!

財界2月13日号 政界レポートを読む 疑惑と不祥事まみれの麻生周辺と日銀人事のゆくえ #日銀総裁人事 #麻生太郎 #財務省 #三橋貴明 #不祥事 #疑惑

財界2月13日号 政界レポートを読む 疑惑と不祥事まみれの麻生周辺と日銀人事のゆくえ 

 

 

 

財界2月13日号 政界レポート『デフレ脱却を最優先に据える安倍首相自民党総裁選にどう備えるか』に関する感想

 

■三度目の富ヶ谷会談

18年1月11日に東京・富ヶ谷安倍総理の私邸で行われた麻生大臣との1時間半にわたる「サシ」での会談

これまでも“解散の是非”など、重要な節目でこの会談は行われ、直近では8月9日、9月10日に催されました。

これに続く3度目の富ヶ谷会談。

果たしてどのような事案が取り上げられたのでしょうか。

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■麻生関係者が絡んだスパコン疑惑

記事は、スーパーコンピューター開発をめぐる国の助成金詐欺事件に話題が及んだはずだと推測します。

 

この助成金約1億9千万を騙し取ったとして捜査を受けているスパコン開発会社ペジー・コンピューティングの顧問を務めていたのが、麻生と親しい元TBS記者の山口敬之氏です。

(記事では「安倍、麻生と親しい」と書かれていますが個人的には山口氏は“麻生の犬”だと思っています。例えば山口氏の著書『総理』。表紙は安倍総理ですが、あれを麻生氏に変えて、視点を少し変えれば、書いている内容はすべて麻生氏周辺で起きたエピソードばかりなのではないでしょうか。)

 

山口氏は永田町・首相官邸近くの平均家賃130万という超高級賃貸マンションに住んでおり、その家賃をペジー社が肩代わりしていたのだそう。

 

そして、このペジー社への助成金が決定された際、官僚側に“麻生関係者”がいたと記事は指摘します。

(抜粋)

16年8月2日に閣議決定された「未来への投資を実現するための経済政策」に沿って、補正予算が編成され、JST(科学技術振興機構)に割り当てられたのが120億円のうち半分を同社社長の斎藤元章が社長を務める会社に割り振られた。

しかも、このときの財務省文科省担当主計官は麻生の元秘書官だった

この問題では同じく麻生の元秘書官だった経産省幹部の名前も挙がっている

(抜粋終わり)

  

■二人の麻生元秘書官

記事で指摘されている、スパコン助成金詐欺事件に関わったかもしれない、二人の麻生元秘書官。記事では実名は記されていませんが、別ソースの記事によると経産省の麻生元秘書官というのは柳瀬唯夫経済産業政策局長のようです。

 

もう一人の財務省側の麻生元秘書官というのは、16年8月の時点で文科省担当主計官を務めていた人間ということから、財務省主計局法規課長“タツオ”さんで間違いないのではないでしょうか。

タツオさんは平成24年の麻生財務大臣時代に「秘書官事務取扱」として麻生氏に仕えています。

 

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ちなみにタツオさんが麻生財務大臣の秘書官を務めていた時の上司が、“麻生のトモダチ”、”センサー(※見ているだけという意味)“と呼ばれている現・財務官の浅川雅嗣氏です。

そういえば浅川氏も柳瀬政策局長と同様に麻生首相元秘書官でしたね。

 

将来の財務省を担う人材が就くと言われる重要ポストの一つ、主計局法規課長。

その法規課長がスパコン疑惑に絡んでいたとしたら、それこそ大問題のような気がします。

個人的にはタツオさんのことは好きなのですが・・・。非常に残念ですね。

 

■不祥事だらけの麻生周辺 DVで逮捕されたあの元・有名経済評論家も麻生シン

今回のスパコン疑惑に絡んだ官僚だけでなく、麻生支持者の中にも、最近、不祥事を起こし世間を騒がせた人物がいます。

妻を殴ってケガをさせたとして、逮捕された元・経済評論家の三橋貴明です。

三橋氏が麻生大臣を「平成の高橋是清」だと褒め称え、最も尊敬しているのは、よく知られています。

  

そんな三橋氏は10代の妻を平手打ちしたDV容疑で逮捕されたにも関わらず、

「19歳の若い女の子を誘拐同然で監禁して毎日ボコボコに暴力を振るって、洗脳する。こういうのがDVであって、妻を平手打ちしたぐらいのことはDVではない」

などという、まったく反省の色のない、呆れた暴言を吐いています。

 

上記スパコン疑惑の山口敬之氏斎藤元章氏しかり、三橋貴明しかり、どうして麻生大臣の周辺は怪しげな人物ばかりなのでしょうか。

 

経済評論家の三橋貴明容疑者を逮捕 10代の妻と口論、腕にかみつき暴行の疑い 警視庁 - 産経ニュース

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三橋貴明『平成の高橋是清

amba.to

 

三橋貴明】 2010年4月12日 三橋貴明勉強会 【麻生太郎

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■日銀正副総裁人事のゆくえは

日本の行く末を占う決戦といえば日銀正副総裁人事

5年前のときは、麻生大臣「日銀出身者を入れないと日銀マンの士気にかかわる」などという寝言を発言

それに押される形で日銀プロパーである中曽氏の副総裁入りが決定しました。

 

今回も日銀正副総裁人事に関連した記事では必ずと言っていいほど「雨宮理事の副総裁入りが取りざたされている」と書かれています。

 

ですが、デフレを招いた赤い日銀貴族どもの代表格、福井~白川路線の後継者にして「ミスター日銀」と書いて「悪党」と読む雨宮氏を副総裁入りさせるなど、愚の骨頂と言えます。

 

記事や最近の動きからみれば、弱り目に祟り目の麻生大臣は、前回の総裁人事のような強硬姿勢を取りづらいのではないでしょうか。 

であるならば、安倍総理の決断ひとつで雌雄は決するはず。

 

ある人は「雨宮の副総裁入りは日銀人事1敗ではなく4敗の重みがあり、それはすなわち、安倍総理の戦略的敗北を意味すると言います。

 

同感です。

今まで安倍総理は日銀の金融政策を決める政策委員に多くのリフレ派を送り込んできましたが、その努力すら無に帰すでしょう。

 

今年は国政選挙はないとはいえ、来年は統一地方選挙参議院選挙、そして何よりも大事な天皇陛下のご譲位も予定されています。

 

これらに万全を期すためにも、日銀総裁人事は一歩も引いてはならない勝負どころと言えます。

報道によれば注目の日銀正副総裁人事は、2月の中旬以降に国会提示される見通しだとのこと。

 

安倍総理には「雨宮を討て!」を掛け声に日銀貴族という名の悪党どもから日本を取りもどして頂きたいです。

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ミスター日銀と書いて悪党と読む雨宮理事

 

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(拙書評はコチラ)

書評『世界の歴史はウソばかり』蒙昧にして臆病なる“歴史学者”どもに告ぐ!~歴史学会の闇と本当の敵~ #倉山満 #ビジネス社 #世界史 - ScorpionsUFOMSG’s diary

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(目次)

■蒙昧にして臆病なる“歴史学者”どもへ
■歴史を直視したらヘイトになった!

■7世紀から国民国家だった日本 ~防人と臣籍降下

■もう一つの国民国家論と歴史学会の闇 ~歴史学研究会編『国民国家を問う』を問う~

歴史学者の仮面を被った極左 東大名誉教授・油井大三郎とザ・レイプ・オブ・南京

■今そこにある国史(ナショナル・ヒストリー)の危機 歴史教科書見直し問題とニュー・レフトの謀略

■明治初年に戻った日本を救うのは誰か

   

妻を殴ってもDVではない?! 元有名経済評論家の呆れた言い訳 #三橋貴明 #DV加害者 #ドメスティックバイオレンス #暴行 #暴力

妻を殴ってもDVではない?! 元有名経済評論家の呆れた言い訳

#三橋貴明 #DV加害者 #ドメスティックバイオレンス #暴行 #暴力

 

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DV加害者 三橋貴明

10代の妻にDVを働いたことで逮捕された元経済評論家三橋貴明氏。

その彼が逮捕後初めてでしょうか。自らの口で事件のことを語っている動画がアップされていましたが・・・。

あれだけ大々的に報じられたにも関わらず、どうやら本人はまったく反省していないようです。

 

三橋逮捕!の真相

https://youtu.be/RNvYfLVQu_0 @YouTubeさんから

youtu.be

  

三橋氏の発言によれば、彼の思うところの”DV(ドメスティックバイオレンス”)とは「19歳の若い女の子を誘拐同然で監禁して毎日ボコボコに暴力を振るって、洗脳している」、これがDVに当たる行為なのだそうです。

 

なので、自分自身がしでかしたこと、すなわち奥様を平手打ちしたことはDVではないし、「絶対に(DVだと)認めることはできない」のだそうです。

 

呆れるぐらい反省の色ナシですね。

 

弁護士ドットコムには「夫に「突き倒された」ーー「一度の暴力」で離婚が認められる可能性は?」と題したコラムが掲載されており、一回だけの暴力でも、離婚を認めた裁判例もあるのだそうです

  

夫に「突き倒された」ーー「一度の暴力」で離婚が認められる可能性は?

www.bengo4.com

 

裁判所が、離婚を認めるべきか判断する際は、暴力によって被害者の精神がどれだけ傷ついたか、どれだけ恐怖心を抱いたかという観点が重要視されます。たとえ一回でも、また、たとえカッとなるような事情があったとしても、妻を突き倒すような行為は、相手方に恐怖心を抱かせる行為として、離婚原因に十分あたりうると考えられるでしょう。

 

本来、こんな言葉の定義云々を出さずとも、仮に“DV”という言葉がこの世に存在しなくとも、男性が女性に対して暴力を振るうなんてことはあってはならないのでは?

 

今の奥様のみならず、前妻のさかき漣さんに対しては、命にかかわるようなケガを負わせていたようですが、三橋氏の理屈でいけば、それすらも「DVではない」と言い張るのでしょうか?

ネットニュースでも取り上げられていますが、さかき漣さんのブログに描かれているDV加害者は三橋氏本人を想起させます

 

さかき漣さんのブログより

DV加害者の二枚舌と“共犯者の存在”

Blog | Ren Sakaki Official Website(さかき漣 公式サイト)

「このメシは誰のお蔭で喰えるんだ、言ってみろ、クソババア」

「あなたのおかげです」

「感謝しろ。“さっきのこと”は、自分が悪い人間だから叱ってもらったのだと認めて土下座しろ」

「私が悪いからです、あなたは悪くありません、申し訳ありませんでした」

「よし、喰え。俺ほどあんたのことを大事に思っている人間はいない、分かってるよな。あんたは俺の庇護がなければ生きていけないんだ。明日は服を買ってやるぞ」

そして彼は、また翌日も、穏やかな笑顔でもって颯爽と社会へ出ていくのだ。

「ええ、DVなど言語道断です。もしも家族を殴るような奴がいたら、私なら犯人を殺しにいきます。まあうちの妻は気が強いからそんなことはあり得ませんがね、私は完全に尻に敷かれてますよ・・・今日もブランド品をねだられていまして(笑)」(インタビューに答えて)

 

そして、この人物は、警官に対しては次のように答えるのだそうです。

「実は、妻は精神病罹患者で、家事もろくにしない、仕事場でも問題ばかり起こす、ちょっとしたことでも怒りやすくて、愚痴が多く、すぐに私に食ってかかる癖がある。ときには『キチガイ』のように暴れて手が付けられない日もありますから、そうすると私はやむなく抵抗しなければならず、手が当たってしまうこともある・・・つまり今回のことは正当防衛なのです。

しかし、そんな駄目な妻ですが、私は彼女を愛している。だから一生をかけて大事にいくつもりなのです。この度は、たいした事でもないのに、妻が大げさに騒いで誠に申し訳ありませんでした。警察の方々には、いくらお詫びしてもしきれない。

(腕時計を見て)おや、そろそろ仕事に行かなければなりません、おいとまして宜しいでしょうか? 妻にはよく言ってきかせておきますので」

  

三橋氏本人がどうなろうと知ったことではありませんが、やはり今の奥様や赤ちゃんのことを考えるなら、悔い改めて更生して欲しいと思っていましたが・・・

どうやら望み薄のようですね・・・

 

そして、まったく反省の色のないDV加害者・三橋貴明氏が何食わぬ顔でチャンネル錯乱に出演し、国民を、国家を語るのでしょうか。

 

有害以外の何物でもないですね。 

   

三橋氏のDVを報じる記事

経済評論家の三橋貴明氏がDVで逮捕され釈放 テレビ界からオファー控える動きも|ニフティニュース

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